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シングルマザーが望まずに風俗で働かなくてもよい社会へするための提言 – 榊 裕葵

2014年12月26日

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大阪市の職員が生活保護を求めたシングルマザーの女性に対し、「ソープで働け」と発言したというニュースがインターネット上でも大きな波紋を呼んでいる。

 

本当にそこまで極端な言葉が投げかけられたのかは不明であるが、多くのシングルマザーが経済的に苦境に置かれているということは事実であるし、実際やむなく性風俗産業に身を投じている方もいるであろう。

 

望まない女性がやむなく性風俗産業に入るということはあってはならならず、性風俗産業以外で身を立てて行けるようにする社会の仕組みづくりが必要であると私は考えている。

 

そこで、現状を打破するために考えられうる施策を、以下4項目に分けて紹介したい。

 

 

 

■事業主への経済的インセンティブ拡大

 

第1に、事業主へのシングルマザー雇用に対するインセンティブの周知と拡大である。

 

会社がシングルマザーの女性を積極的に雇用したがらないのは周知の事実であるが、これはやむを得ない。やはり、夫婦で子育てをシェアできないので、勤務できる日や時間に制約が多かったり、子どもに何かがあった場合、突然欠勤や早退したりする可能性も高いということを、雇う側はどうしてもリスクと認識してしまうのだ。

 

会社は利益を出さなければ存続できないし、会社には「採用の自由」があるから、シングルマザーを積極的に採用しないからといって会社やその経営者を責めることはできない。NHKドラマの「ハゲタカ」の主人公、鷲津政彦の言葉を借りるなら、それが資本主義の世の中だからだ。

 

この現実を緩和するためには、経済合理性の観点から国が金銭的なインセンティブを講じるしかないと私は考えている。

 

現在でも、シングルマザーを新たに雇用した経営者には、「特定就職困難者雇用開発助成金」という名称の助成金が支給されることになっている。

 

しかしながら、シングルマザーを雇用したら助成金がもらえるということを知らない経営者の方もまだまだ多いので、国としてもっと積極的に周知を図っていくべきだ。テレビやインターネットでCMを流しても良いのではないだろうか。

 

そして、この助成金を経営者の方が知っていたとしても、現在の仕組みのままでは魅力が足りないと私は考えている。というのも、シングルマザーを雇用したらすぐに申請できるわけではなく、半年経過後に45万円、1年経過後に45万円を申請できるというルールになっているのだ(金額は、中小企業がフルタイムで雇用した場合)。

 

多くの会社では半年も待てないであろうし、金額にしても月換算7.5万円では魅力に乏しい。だから、助成金を月単位で支給するとか、金額的にも賃金の半額を補助するとか、会社負担分の社会保険料を免除するとか、経営者が「これだったら、シングルマザーの女性を雇ってみたいな!」と感じるような、思い切った助成枠の拡大が必要ではないだろうか。

 

 

■全ての母親に優しい育児介護休業法へ

 

 

第2に、育児介護休業法の改正である。

 

育児介護休業法には、育児休業だけでなく、「短時間勤務」や「時間外労働の免除」といった働く女性に優しい諸制度が定められており、これ自体は大変素晴らしいことである。

 

ところが、労使協定を結ぶことにより、「入社1年未満の労働者を適用除外とすることができる」という例外規定が存在することが、新たに雇用されるシングルマザーにとっては足かせとなっている。

 

せっかく保育園が見つかって働きたいと思っても、保育園が子どもを預かってくれる時間は原則8時間であるから、8時間フルタイムで働いていては子どもを預けられないか、延長保育で多額の追加費用が必要となってしまい、結果的に働くことを断念することにもなりかねない。そして最終的には「短時間で収入が得られる仕事」ということで、性風俗店での就労を選ばざるを得ないことの一因にもなっているのではないかと私は危惧している。

 

であるから、会社側にも理解を求めなければならないが、国策としては法的に短時間勤務や時間外労働の免除を全ての労働者が使えるようにして、就職を促すべきである。

 

 

 

 

■働き方の多様化を受け入れよう

 

第3に、多様な働き方を認める世の中の流れを作り出していくことである。

 

正社員であれば、週5日8時間勤務、転勤もやむなし、というステレオタイプではなくて、短時間勤務の正社員や、地域限定正社員など、正社員としての多様な働き方が認められて然るべきということである。

 

ユニクロで非正規社員を地域限定正社員に置きかえるというニュースが流れたよう、一部の企業ではこのような取り組みも始まっている。国も「キャリアアップ助成金」という名称で、短時間正社員制度を導入した会社に対して支給する助成金を創設した。

 

さらには、在宅型派遣のような新しい働き方も生まれている。例えばデータ入力など場所を選ばない業務ならば完全に自宅で作業をすることが可能であろうし、普段は在宅勤務だが領収書の整理を週1回するなど必要な場合だけ出社する、という働き方もできるようになってきている。

 

就労するかしないかの二者択一ではなく、最初は生活保護や児童福祉手当を受給していても、段階的にキャリアを積んで自立していけるような社会的インフラを整備していくことが必要なのではないだろうか。

 

 

 

■シングルマザーが安心して相談できる窓口を

 

第4に、シングルマザーの相談窓口の整備である。

 

冒頭の件に限ったことではないが、シングルマザーが生活に困り役所に相談に行っても、「働きなさい」と言われて追い返され、ハローワークで必死に職探しをしても職が見つからず、途方に暮れてしまうということは珍しくない。

 

そのようなときに、望まないのに追い詰められて性風俗店に入ってしまう、ということはあってはならない。

 

それだけではなく、シングルマザーやその子どもが餓死体で発見されたとか、無理心中を図ったとかいうニュースはたびたび報じられているし、つい先日の6月14日にも、千葉県で母親が3人の子ども連れてマンションの14階から飛び降り、4人全員が亡くなるといういたたましい事件が発生した。なぜ彼女らはそこまで追い詰められなければならなかったのだろうか。

 

生活保護も法的要件を満たしているならば現場の判断や感情論で拒否することはできないし、安定した職を得るためにハローワークで支援金を得ながら職業訓練を受けるという選択肢も可能である。適切なアドバイスやサポートを受けられれば、救われるシングルマザーも少なくないはずだ。

 

現在もシングルマザーを支援するNPO法人等は存在するし、インターネットでも検索をすると様々な情報が手に入るが、正直、玉石混合というのが実感である。親身に対応してくれる相談相手が見つかれば良いが、追い詰められた心理状態であると、正常な判断ができないまま貧困ビジネスや闇金融の犠牲者にもなりかねない。

 

したがって、法律相談の「法テラス」のように、シングルマザーが安心して国家資格を持つ専門家に相談ができる仕組みの構築が必要なのではないだろうか。そのような仕組みができれば、私たち社会保険労務士も一翼を担えるはずだと思っている。

 

 

 

■総括

 

「シングルマザーを拒絶する企業が悪い」「シングルマザーが甘えている」「行政は冷たい」といったように悪者探しをしたり、お互いに責任を押し付けあったりしていては、問題の解決は図れない。

 

法的整備や行政サポートの充実はもちろんのことであるが、それぞれの立場の中で、相手のことを思いやり、助け合って、前向きな着地点を見つけていくべきではないだろうか。