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「風俗」というお仕事の“重さ”と“軽さ”について、産婦人科医が考えてみた。

2014年10月27日

 

 

「風俗」というお仕事の“重さ”と“軽さ”について、産婦人科医が考えてみた。

 

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クリニックには様々な職業の方がいらっしゃいますが、「仕事柄」性感染症が心配とか、避妊のためにピルが必要という方もいらっしゃいます。

 

 

性的な内容のお仕事をなさる方を、専門用語では「コマーシャルセックスワーカー(CSW)」と呼んでいますが、これはCSWの方を差別したり偏見の目を向けたりするためではなく、診察時にそれなりに配慮すべき点があるからです。

 

 

私自身も、「風俗」というお仕事に対して、偏見も逆に変なポジティブな考え方も持っていません。そのお仕事を現在なさっている方に対しては、仕事上何に注意が必要なのかをきちんとお伝えして診察をすることが最も重要だと考えています。

 

 

ただ、まだそのお仕事をしていない人に対して、「風俗」というお仕事を前向きに伝えすぎるのはちょっと違うかなとも感じています。

 

 

中絶を経験した人には、ただその事実を客観的に受け止めて、そこから何を学ぶかをサポートするけれど、まだ経験していない人にはそういった経験をしなくて済むようにピルを勧めるのと一緒です。

 

 

10代や20代前半で、クラミジアやトリコモナスが陽性だったり、子宮頸がんの検査で異常が出た方の中に、よくよくお話を伺うと「実は風俗でバイトしてます」というケースがチラホラ見受けられます。

 

 

借金を抱えてやむなく、という方はほとんどいらっしゃいません。みなさん、どちらかというと「ちょっと割の良いお小遣い稼ぎ」のつもりで気軽に「風俗」のお仕事に足を踏み入れてしまっています。産婦人科医という立場から見て、この「気軽に」風俗の世界に入るのはとても危険だなと感じています。

 

 

感染や病気をきっかけに、その仕事がいかに自分を傷つけているかに気づいて「自分の浅はかさを反省しました。もうやめます」と言ってくださった方もいらっしゃいますが、どちらかというとずるずる仕事を続けている方のほうが多いのが現状です。

 

 

効率よく稼ぐ方法を知ってしまうと、なかなか他の方法で稼ぐことができなくなってしまうようなのです。だからこそ、その世界に入ってしまう前に、「やめたほうがいいよ」「危険がいっぱいだよ」ということをちゃんと教育する必要はあると感じています。

 

 

だから、元風俗嬢または現役風俗嬢の方をヒロイン化することに違和感を感じるのです。その方たちの生き方を否定するつもりも、また賞賛するつもりもありません。でも、その職業が「レッテルにはならない」ということと「気軽に試してもよい」ということはイコールではないということを、もっときちんと伝えるべきではないかな~と思います。

 

 

(清水なほみ)