ドイツの売春自由化がもたらしたもの
2014年12月17日
2001年にドイツの社会民主党と緑の党は売春婦の社会的地位を高めるために、
健康保険や年金やそのほかの福祉手当を与える一方で、
売春婦への中間搾取は違法としつつも組織売春を合法化した。
州や市ごとに規制の詳細は異なり状況は変わるようだが、ドイツは一大セックス観光地となり、
最も信頼のおける推定によると、1日に40万人の売春婦が100万人の顧客を相手にしている。
少数ではあるが売春を強要されている女性もおり、
ルーマニアやブルガリアから騙されてくる女性もいるようだ。
2001年の政策転換が人身売買にどの程度の影響を与えているかは議論がある。
売春と性的搾取は複雑に絡み合っていて不可分だと主張するAlice Schwarzer氏のような、急進売春反対派もいる一方、
ルーマニアとブルガリアの奴隷と性産業は、農業など他のセクターでも強制労働はあるので、
実際のところ関係の無い現象だとするBarbara Kavemann氏とElfriede Steffan氏のような社会研究者もいる。
ドイツで認知された人身売買の件数は2001年の987件から2011年の482件に減少したが、
ある150カ国を対象にした研究では売春合法化によって性産業が拡大し、
人身売買が増える事を示している。
ヨーテボリ大学のSusanne Dodillet氏によると最終的には文化とイデオロギーの問題になるようだが、
ドイツの国会議員は政策変更を検討しているようだ。
メルケル首相率いる中道右派は社会民主党と協議を行っており、社会民主党も改正が必要と譲歩しつつある。
単価があがった、顧客からの暴力が減ったなどの効果もあると思うし、そういう側面からの変化も気になる所だ。